嘘から出た誠
ひでさんゼミ「経営者の武士道」の受講生Yさんは、IT系の企業を経営している。
彼のITとの出会いは、17歳の時だった。
パソコンでゲームがやりたかった彼は、お父さんに「勉強のためにパソコンが欲しい」と噓をついた。子供に不自由な思いをさせたくない彼のお父さんは、Yさんのためにパソコンを買い与えた。
しかし、そのお金を支払うお父さんの姿にYさんは衝撃を受け、彼の人生が動き始める。
お札を数えるお父さんの手が震えていたのだ。
その手を見た時、Yさんは自分の嘘を深く反省し、「ゲームだけではダメだ。プログラムの勉強をしよう」そう決心したそうだ。
そして、プログラムが組めるようになり、後にそれが仕事となり、対人恐怖症を克服し、独立、今の会社の礎を築いたのだ。
まさに、嘘から出た誠。
そして、その時のお父さんの震える手が教えてくれたことがあると気づいた。
「お前には自分の欲求を優先するあまり、他人の気持ちを軽視する傾向がある」と。
想えば、今まで沢山の社員さんたちが辞めていった。
「もう少し早く、このことに気づいてたら」と悔やむYさん。
しかし、人生で起こることには、早いも遅いもない。
天は、神は、あなたの必要な時期に、必要なことを全て教えてくれている。
点で存在していたYさんの過去の出来事が、今、全てつながろうとしている。